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信託と家族信託(民事信託)について

信託と家族信託

信託について

信託とは、信じて託すという文字どおり、財産を持っている人(委託者)が自分の財産を信頼できる人(受託者)に託し、一定の目的に沿って誰か(受益者)のためにその財産の管理や運用、処分などをしてもらうシステムです。現金や不動産・株式等の有価証券などの財産を託します。

信託というと、一般的には信託銀行の「遺言信託」や投資商品の「投資信託」など資産家を対象にした商事信託が思い浮かび敷居の高いイメージがあると思いますが、一般の方々が利用する身近な信託制度として個人信託というものがあります。資産家でなくても誰でも気軽に自分の財産を信託できます。その個人信託の中でも特に利用しやすい信託に家族信託(民事信託)があります。

家族信託(民事信託)について

家族信託(民事信託)とは、家族に自分の資産の管理や処分を任せるシステムです。預貯金や不動産などの財産のある人が、自分の老後や介護などの何かしら特定の目的のために、その財産の管理や金融機関とのやり取りを信頼できる家族に託します。

高齢化が進む現在、財産を持つ方が認知症などで判断能力の低下や喪失をしてしまうと、ご自分で金融機関の窓口で預金の出し入れをしたり、不動産の売却をすることができなくなりますが、家族信託はこれを補うシステムの一つです。

家族信託は報酬の発生を前提としないことが特徴の一つです。信託銀行などに任せる商事信託では信託報酬が発生しますが、民事信託では報酬の支払いを前提としません。平成19年9月30日に施行された現在の信託法により、家族・親族が受託者となって財産の管理をする信託が利用しやすくなりました。商事信託ではない民事信託は家族や親族が受託者となることが多い点から家族信託とも呼ばれています。

家族信託でできること(メリット)

家族信託を利用することで、今までよりも柔軟に財産管理や運用ができるようになりました。

例えば家族信託では、任意代理契約、任意後見契約、遺言、死後事務委任契約の4つを一本化したような内容の契約を1つの信託契約ですることができます。また、今まで不可能だった二次相続以降の財産の継承先も指定することができます。さらには成年後見制度では収益性や利便性がないと思われる不動産であってもその処分や売却は難しかったのですが、家族信託では信託契約の内容としておくことで対応することができます。