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その他(商号変更、目的変更、取締役会設置・廃止など)について

商号変更について

商号とは会社名のことです。以前は類似商号規制があったのですが、現在はこの制度が廃止されており、他の会社と同一所在場所における同一商号でなければ法務局の登記申請は受理されます。しかし、不正競争防止法等により同一商号による差止請求や損害賠償を請求されることがあるため、商号を変更する際には、同一商号の調査をしてから変更後の商号を決めることをおすすめいたします。

商号の定め方

商号には「株式会社」、「合同会社」など会社の形態を表す文字が含まれている必要があります。

使用できる文字は漢字・ひらがな・カタカナの日本語に加え、ローマ字その他の符号で法務大臣の指定するものに限られます。

ローマ字その他の符号としては、次のものが該当します。

  • ローマ字(AからZまでの大文字及び小文字)
  • アラビヤ数字(0123456789)
  • 符号(「&」「’」「,」「-」「.」「・」)

商号変更手続きの流れ

当事務所に商号変更手続きをご依頼いただいた場合は次のような流れになります。

  1. 商号変更の内容を伺い費用をご提示させていただきご納得いただいた上でご依頼いただきます。
  2. 書類の準備が整いましたら書類に調印いただき商号変更登記の申請を行います。
  3. 手続きが完了いたしましたら完了書類をご返却いたします。

 

目的変更の注意点

  1. 明確性が必要
    明確性とは「語句の意義が明確であり一般人において理解可能なこと」です。
  2. 適法であること
    法律または公序良俗(公の秩序または善良の風俗)に反する事業は目的とすることはできません。
  3. 許認可に関すること
    許認可を得ようとする場合には、それに適した目的の文言があります。その許認可に関する行政庁に確認してから目的を定めましょう。

 

取締役会の設置の手続について

取締役会を設置するには

取締役会を設置するには、株主総会において取締役会を設置する旨の定款変更決議をする必要があります。

また、取締役会設置会社の取締役の数は3人以上必要なので、現在、取締役が3人以上いない場合には新たな取締役を株主総会で選任する必要があります。

そして、取締役会設置会社は監査役を置かなければならないので、現在、監査役を置いていない場合は、株主総会で監査役設置会社にする定款変更と監査役を選任する決議をする必要があります。

登記申請に必要な書類

    • 株主総会議事録
    • 株主リスト
    • 新たに選任した取締役及び監査役の本人確認書類(運転免許証など)

取締役会の廃止について

新会社法(平成18年5月1日施行)が始まる前は株式会社には必ず取締役会を置く必要がありましたが、新会社が始まった後は取締役会を置かないこともできるようになりました。そのため、実質的には取締役会を設置していない株式会社は取締役会を廃止する手続きをするケースが増えています。

取締役会の廃止のメリット

取締役3名以上、監査役1名以上を確保する必要がなくなる

新会社法が始まる前は、株式会社には必ず取締役を3人以上、監査役を1人以上を置き、取締役会を設置する義務がありました。そのため実際は社長一人で会社経営をしている場合でも、株式会社とするために家族や親兄弟・友人の名前を借りて取締役や監査役としているケースが少なくありません。

しかし、名前を借りているだけとはいえ、法律上は正式な取締役・監査役であるので、会社にトラブルがあった場合は取締役・監査役にも責任が生じ損害賠償を請求される恐れもあります。

このような事態を避けるため、現在の会社の状態に合わせて取締役会を廃止し、取締役を3名以内とし、監査役も廃止することで、名前を借りているだけの取締役・監査役の負担やリスクから解放することができます。

手続の煩雑さが少なくなる

取締役会を開催する義務がなくなります(会社法第363条2項)。

業務の意思決定をする際に取締役会を開く必要がないので迅速な意思決定ができます。

定時株主総会の招集通知に際して、計算書類及び事業報告を提供する必要がなくなります(会社法第437条)。

株主総会の招集通知をする期間を1週間以内にすることができます(会社法第299条1項)。

株主総会の招集通知を書面でする必要がなくなります(会社法第299条2項)。

 

取締役会の廃止のデメリット

①取締役会と監査役を廃止する手続に費用がかかります。
登録免許税として取締役会廃止3万円、監査役廃止3万円、役員変更1万円の合計7万円です。また、依頼する場合には別途報酬がかかります。

②会社の重要事項は株主総会で決定することになるので、その都度株主総会を開く必要があります。

③株主が社長である場合、所有と経営が分離していないため、取締役会設置会社よりも対外的な信用度が低くなります。

取締役会廃止に必要な書類

  • 定款
  • 株主総会議事録
  • 株主リスト